鏡の中の私が聞く　「そちらからは何が見えますか」

ここにいる私が鏡に聞く　「そちらからは私が見えますか」


無邪気な頃　その存在は　不思議で不思議でただ不思議で

移りこむのは自分の姿　日に日に変わる私の姿

私が動けば君も動いて　私がしゃべれば君もしゃべる

全部が全部同じようで　だけどなんだか違う世界


そちらからは私の姿は　どう映っているのですか

私の笑顔も泣き顔も　怒る顔も

成長してきた過程の間も　全部全部知っているんだ

どれもこれもかっこ悪くて　どれもこれも忘れたいけど

今一度聞いてみたい　左右違う世界のそちらからは

私の生きるこの世界が　どう映っているのですか


たとえその答えが聞こえなくても　動くのは全部自分自身

鏡の私の口が動いた　「悪いことばかりでもないようだね」と

すべて自己満足だと知っても　聞かずにはいられない

全部自問自答　自問自答　そして自問自答

答えられるのはいくつかな

そちらからは私が見えますか

そちらからは何が見えますか

こちらからは私が見えてます

こちらからは未来が見えます


すべてはそう自問自答の　鏡と私の会話なだけ



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開いた扉の先にあったのは　普通のようで普通じゃない

人の形をした人間が　手招くようにテーブルへ

奇怪な笑みを浮かべながら　「ご注文は何ですか？」

メニューを開く前に　僕は海の中へ落ちていった


狭い箱に閉じ込められて　息は出来る海の中

これは何だと問うのは誰　隣にいるのは知らない誰か

大きな魚が僕らの箱を　大きな口でかじってくる

壊れることを望むのならば　この先の展開は死あるのみ


想像出来る未来なんて　つまらなすぎて来る吐き気

そんなありきたりなものなんかが　来るはずなんかないだろう

海の中の透明な　丸くて小さな僕らの箱

意味を示すのは死だけなのか　ただそれだけの意味なのか

レストランのあの人間は　笑いながら貶める

一体あれはなんなのか　何が言いたいのかわからない

隣にいる知らない誰かは　携帯片手に呟く

「さっきのなぞなぞの答えは、海に落ちて死ねってこと？」


目が覚めたのは午前九時　いつもと変わらない部屋の中

気持ちは変に高まる　そこはタダ食いレストラン


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