青い空も　青い海も　

土の色さえ　知らない老婆

いつも同じ　場所にいて

一本のロウソク　壊れたレコード


ここには窓がない　ここにはドアがない

飛んで雑音　響く歌は

老婆の耳を　優しく労わる


どうしてこんな暗闇の中　何も知らず生きているのです

外にはこんな綺麗な世界　何もかもあるのに不幸な人ね

壁を壊し窓をつけ　一歩出るためのドアがいるよ

さぁ飛び出せ　暗闇しかない　この酷い世界から光へ


青い土　透明の海

茶色い空を　知ってるかい

いつも違う　場所にいて

緑の太陽　軽快な音楽


そこには窓がある　そこにはドアがある

本当に聞くか　ノイズまみれの

君の耳を　的確に壊す


私が何も知らないと　勝手に決めつけられて

ここにはこんな愉快な世界　何もかもあるのに不幸という

窓はいらない　ドアもいらない

私には必要ないから


幼い頃　渡された絵本

ボロボロでもう　読めないけど

そこには青い空と青い海と茶色の土

年をとるのは　悲しいことだね

ない　ない　時間がない

一日二十四時間じゃ足りない

眠い　眠り　おやすみなさい

もっと有意義な使い道が欲しい


働いた分だけお金が入る　その分命が削られる

生きてるだけで　もう　失っていく

まだまだ足りない人の生涯


全部の時計を壊してみても　日は沈みまた昇っていく

他人の時間を奪うことは

簡単だけどその分自分の　時間も失ってゆく


とまれ　とまれ　回る時間

一日二十四時間じゃ足りない

寝ない　寝ない　まだ起きてる

もっと生きてる時間が欲しい


学んだ分だけ約束される　その分何が変わるというか

無駄なことしてないか？　好きなことしてるか？

足りないよ　足りないよ

他人を言葉で惑わす人と　それに惑わされている人と

互いに互いの時間を奪って

それが楽しいならそれでいいけどさ


全部の時計を壊してみても　止まらない大きな回転は

少しずつ僕らの命を

削ってやがて自らの命とする　それが道理というものか


幸せだったか？　自分に訊ねる

生きてるだけで　削られる命

奪っても奪われる　意味のない生き方

それが楽しいならいいと思うさ



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