互いの両手を高く繋ぎ　詩を歌う二人の子供

愉快な笑いを立てながら　今日も誰かが潜る門

誘い誘い彼等の門へ　決して離れぬ二人の両手


とおりゃんせ　とおりゃんせ

言い訳しながら通ってく

とおりゃんせ　とおりゃんせ

ここはどなたの細道じゃ

とおりゃんせ　とおりゃんせ

ここは天神様の細道じゃ


陽気な声の面の下　そこにあるのは誰の顔

微かな泣き声上げながら　今日は誰が変わる門

喘ぐ喘ぐ僕等の門へ　もうすぐ詩が終わるんだ


とおりゃんせとおりゃんせ

行きはよいよい　

とおりゃんせとおりゃんせ

帰りが怖い

とおりゃんせとおりゃんせ

遅れた子供が捕まった


次は君だと変わるは僕等　面の下には笑顔があるわ

繋いだ両手が離れた僕等　残った子供はまた泣き出した

変わる子供は面をつけた　これから知るのは誰の道だ


これから知るのは冥府の道だ





ポエムブログ

こんな田舎な町なんか　不便でたまらない

道は狭く街灯もなく　ろくに車も走れない

おしゃれな店が一つもなくて　駅まで行くのも一苦労で

電車に乗っても広がる世界は　ただ何もない雑草の平地


気づく気づけない　私はまだ　失っていないから

持ってるものを投げ捨てて　初めて持っていた事実を知る

当たり前だった空の星も　当たり前じゃなかった


こんな都会の町なんか　汚くてたまらない

五月蝿い車のエンジン音　人のいない時間がない

高い建物で空は隠れ　　道を歩けば誰かとぶつかり

止まってみても広がる世界は　動き続ける藪の中


気づく気づけない　私はまだ　知らないことが多いから

なんでもあると思い込んで　何もないと口ずさむ

当たり前だったこの地面も　当たり前じゃなかった


人は当たり前という勘違いに　惑わされて生きていて

自分で捨てて気づいたときには　もう手遅れかもしれないから

嫌なことばかりを見れば　この空の美しさも　この地の愛おしさも

失ってから初めて　当たり前じゃないと絶望する

街灯が少ないから見える星と　人が多いから頑丈な道と

こんなにも素敵なもの　他にはないと思ったんだ



ポエムブログ